健康だより

腰痛(腰椎に原因があるもの)

腰痛(腰椎に原因があるもの)

腰や脚外側が痛む原因の多くは腰椎の知覚神経への圧迫・炎症による刺激・姿勢変化時の滑走性低下等による投射痛である。

進化の過程で立位二足歩行となった人類の腰には無理があり、腰痛は宿命である。    健康時は周囲の筋肉などの組織で持ち堪えているが、加齢や疲労で筋力が低下したときや過重動作があると神経周辺の組織が損傷、変形、炎症移動などして神経を刺激し、痛みやシビレになる。

神経を刺激する原因には「椎間板ヘルニア」「脊椎スベリ症」「脊柱管狭窄症」「外力による傷や変形」などの他に内臓器や血管などもあるが、痛み方や経過状況である程度の原因を把握することができる。

日々痛みが強くなっていくもの、腰から腹部に痛みを感じるもの、体験したことのない違和感や原因に心当たりのない痛み、姿勢の変化で和らがないものなどは腰椎外に原因がある場合が多く、診察を受ける必要性が高い。

更に、胸椎や首、寛骨(こし骨)の角度や股関節が遠因になっていることも多くある。

初期の椎間板ヘルニア、変形、スベリ症などは主に動作時に痛むが、腰椎の両真際の筋肉(多裂筋)に炎症が出て軽く押すと痛むところがあり、発赤しやすく皮膚の感受性が高まっているので、その場所を爪先などで押し、更によく感じる1~数点を治療点にすると鎮痛効果が高い。

腰部脊柱管狭窄症は歩行などの同一動作の継続が血行を妨げて代謝が滞り、動作を中断休息すると回復する特徴がある。ほとんどの狭窄症は元々の体質にあり、体力低下による筋力や周辺組織の劣化で出る症状のため、摂取食物の改善や生活習慣、運動療法などでの筋力の増強で苦痛のない生活ができる。

ギックリ腰、外傷や変形などの外的要因による痛みは、痛むところの皮膚や軽擦による発赤点、腰椎の骨の山(棘突起)と山の間の感受性の増した所の、更に押してよく感じる点への正確な取穴で痛みを鎮めた上で、暫時の安静・休息後のトレーニングでの筋力増強で再発防止になる。

 

① 腰椎の真上の骨と骨の間を爪先等で押して特に痛い点

② 坐骨神経に沿った皮膚  (1) 腰椎の外 3㎝ (2) 臀部(直立して臀筋の窪む所) (3) 腰骨と膝の中間 外側  (4)外くるぶしの後下、下に斜めに押して痛い点 (5) 4と5趾の間、上へ約3㎝~6㎝