内蔵体壁反射で治療点として反応変化した皮膚(つぼ)を刺激すると、多くの場合には驚く程の作用があるのは周知の事である。反面変化のない(つぼの反応をしていない)健康な皮膚への貼付はほとんど体内に影響を及ぼさない。
体内の部位や臓器とそれに対応する特定の皮膚部(つぼ)との関連作用については、既に内臓体壁(皮膚)反射、体壁内臓反射が確認されている。
しかし、体壁内臓反射を治療目的に利用する場合の作用機序については、未解明の部分が多い。
漢方、特に鍼灸では症状を強い痛み、凝り、腫れ等で機能が亢進している症状を実症、逆に冷え、しびれ、等の機能低下を虚症として、それぞれ取りさるための「瀉」治療、補うための「補」治療を行っている。実症には強い目の刺激や早い刺激変化、直流のマイナス極を患部へ通電することで、又虚症には、弱く穏やかな刺激や患部や治療点へのプラス通電を行うと効果的であるとされている。
金属特に鉄は「瀉」作用があることが経験されている。鉄針を治療点に20~30分間置針する治療法があったがその効果は大変に高く多くの患者で盛況の治療院が昔にあった。又直径8ミリから12ミリの純鉄の板を治療点に数日間貼付する治療院があったが、やはりよく効くと大変盛況であった。
更に金針のみを使用して多数置針(1時間~1時間半)を専門にした鍼灸院を見学したことがあるが、こちらは一見して虚症タイプの患者が多いのがその後長年気になっていた。金属の種類によるイオン化傾向を考え合わせ作用効果の差異が今になって解った。
鍼灸、指圧、マッサージその他治療を目的に皮膚を刺激する場合、強い刺激が大きい作用を期待できると思われがちであるが、経験から各症状に対して適度の強さ、刺激量が必要なことが解る。
マグレインは実証には鉄等のイオン化傾向の高い金属の粒子が、又虚症には金や酸化チタン等の低い金属の粒子が目的の作用をすることが経験できている。
経過の長いもの、体力の弱ったもの、冷えを伴った症状には鉄では強すぎて効果になりにくく、イオン化傾向の低い金や酸化チタン粒が適している。