治療点のとり方 < 器官系別 > | 保健、老化防止

治療点のとり方 < 器官系別 >
保健、老化防止
足三里(さんり)(第48図)

 古くから、足三里は健康管理と長寿に多用されてきた。
 胃液分泌促進、小、大腸の蠕動運動活発化などは多くの実験で明らかになっている。
 ①消化器の弱い人は弱い刺激を続けると正常な機能が保たれる。
 ②腸の水分吸収力が強く便秘ぎみの人は三里に加えて、その下部の前脛骨筋部への強い目の刺激が蠕動運動を促進させる。
 ③胃潰瘍などには、胃酸が多くなることから強刺激は症状を悪化させる。
 他の種々な機能にも作用することが経験されているので試してよい結果が期待できる。
 ツボ刺激のみではなく、早歩きなどはこの部位の強化に適する。
 三里は膝の下部、前外側、脛骨の外側の窪みで、必ずしも定点でなく、作用、効果を確かめながら、有効点を探すのが大切。

足三里(さんり)(第48図)
老化・痴呆予防

 筋肉は一週間使わないと減少したことが感じられる。
 脳の基本的な働きや目的は体を動かすことである。
 バリアフリーや高機能住宅などは障害のある人に必要でも、脳や体の弱りかけた人には、低下を促してしまう。激しい運動やトレーニングをわざわざすることもないが、生活の中でできるだけ新しい作業を探して、工夫しながらの動作が最も有効と云える。
 関節や筋肉に少々の痛みや障害があっても、動き続けながらの治療がほとんどの症状には必要である。こりや痛みは我慢せずにツボ治療で治め、筋肉や関節を動き易くしてからトレーニングに入るとよい。痛みによる筋肉などが硬い状態での動きは障害の原因になる。

耳診(針)法(第49図)

 ・胎児が頭を下にうずくまった姿を側面から見た形を想像する。
 ・耳介の形は顔と同じで個人差があるので、次頁の図で大まかな場所をみて、「つぼ」を探す。電気探索器のない場合にはマッチ棒の丸い先で等圧(約100g)に押してゆき、痛みを感じる点を探す。
 ・体の左に異常があれば左耳を、右は右耳でとる。
 ・頭痛、腰痛その他痛み止めには特に有効。
 ・痩身などの健康体ではツボ反応が弱いため、空
  腹で反応しやすい時に探したり、強く又長く押
  してみる等の工夫がいる。

耳診(針)法(第49図)